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小鹿田焼について~小鹿田焼の作業工程~
シンプルだけど奥深い。伝統の焼ものを日々のくらしへ。
江戸徳川幕府の直轄地「天領日田」。
おんた焼の作業工程
自給自足の土と釉薬
小鹿田皿山は、集落全体の地質が厚い陶土層で形成されていて、表土を少し掘り下げれば陶土を掘り出せます。
小鹿田焼の原土(陶土)は、すべて集落周辺の山からの自給です。
また、釉薬の原料である灰も自然の植物灰にこだわり地元のものを自家生産しています。
こういう面からも小鹿田焼の伝統が見うけられます。
蹴ろくろでの成型
小鹿田焼きは、今では少なくなった足で蹴ってまわす、蹴ろくろを使い、昔と変わらない技法で作られています。
電動ろくろより扱いが難しく、上半身と下半身のリズムを合わせながら成型します。
度重なる練習が必要ですが、蹴ろくろであるからこその風合いが出せるのです。
装飾技法
蹴ろくろを回しながら、飛びかんななどの美しい模様をつけていきます。
「飛び鉋」や「打ち刷毛目」、「打ち掛け」や「流し掛け」など、小鹿田焼の特徴的な装飾技法を一人前にできるようになるまでには、10年の修行が必要です。
難しい蹴ろくろを扱いながらの装飾からは職人の個性や高い技量が伺えます。
登窯による「焼き」
小鹿田焼の窯は「登り窯(のぼりがま)」と呼ばれるゆるやかな階段式連房窯に詰め込まれ焼かれます。
小鹿田皿山では現在、10軒の窯元の内、5軒が共同窯、残りの 5軒が個人窯、を使用しています。
共同登窯には下部にある火口窯(燃焼室)と八つの袋(燃成室)があり最下部の焚口から順次焚き上げていきます。
窯に火が入るのは約2か月に一度。窯に火を入れると窯元のみなさんは約60時間つきっきりで窯の火の番をします。
最後の袋まで焚き終えた窯は、赤土で密封され、窯開けは、焼成後2~3日間徐冷したのちに行われます。